Memorial photo 狙いは狼の遠吠え
2015年の冬。その朝の気温は氷点下で、多摩動物公園内の移動カーも路面凍結のため午前中は運休となるほどでした。
そこへ私は、カメラをぶら下げて一人で入園したのです。
目的は狼舎一つ。
妻から指令を受けて、狼の写真を撮影してくることだった。妻自体、狼大好きで狼をモチーフに漫画を描いたほど。というか、その漫画のための資料として狼の写真撮影を依頼されたのです。
旅費は妻持ちで、半分お遊びの東京旅行となるわけで、二つ返事でOKしたものの、当日の朝は本当に寒くて寒くて、カメラを抱える手は凍え、ファインダーを覗き込んで被写体を見つめる目からは自然に涙がポロポロ流れ落ちる。(悲しくて泣いたわけではない)それほどの寒さだったのです。
狼はただ撮影すれば良いわけではなく、遠吠えをしている写真が欲しかったので、事前に何時ころ遠吠えするとか、何時頃の動きが活発だとか、そんな情報を収集して臨んではいました。
しかし、現実はそううまくはいかない。
平常時の生態写真は撮れた。しかし、待てど暮らせど、遠吠えをしない。そして寒い。ただ寒い。狼舎から休憩所までは比較的距離があって、休憩している間に遠吠えをされたら写真が撮れない。でも寒いしつらいから休憩したい。
そんな気持ちのせめぎあいをしていたら、ついに始まった!!
狼舎に半日ほど張り付いて、お昼頃だったろうか、ついに遠吠えがはじまったのです。
狼は誰かが遠吠えを始めると、つられるように、他の狼も遠吠えをするようです。寝転がったまま遠吠えするやつもいれば、小高い場所に立って、立派な遠吠えをするやつもいる。
これは絵になる。
バシャバシャと撮影しまくった。
動画も撮れた。
そして安心して、動物園内のほかの平和な動物たちも撮影することができた。
自分にとって、貴重な体験にはなりました。
冬の狼は冬毛に覆われて、本当に立派だ。立ち姿がカッコいい。夏はダメ。貧相でみすぼらしい。狼がいる動物園はそう多くないけど、冬の狼の遠吠えシーンはおススメです。
日が差してくると、象やライオンなどあちこちで動物たちのイチャイチャタイムが始まってしまいました。こっちは一人なのに、動物園で動物にあてつけられるとは思いませんでした。動物園ですから、当然子どももいるわけで、その子どもたちが見ている前でです!!(仕方ないけどね)
今回FUJIFILMのカメラの魅力をお伝えする記事でもありました。
来月には新しいカメラX-S10が発売されます。フラッグシップモデルではありませんが、極めて物欲がそそられるスペックとなっています。
今回過去写真を見返してみて、改めて思いました。きっと買うと思います。
いけないとわかっていても、たぶんそう思います。(しつこいですね)
ものすごくおススメです。なんといっても写真のFUJIFILMですからね。
ポチっとしていただけたら幸いです